不安に押しつぶされる前に~強迫性障害は治療で改善できます~

病気と闘う為に大切なこと

ハートを持つ看護師

支える家族の心構え

強迫性障害を患う人の症状の1つに確認行為があります。例えば、出かける時に玄関の鍵は閉めたかということやガスの元栓は閉めたかということを何度も繰り返し確認するというものです。この確認行為は強迫性障害を患っていない人でも外出する時などに1度は行うものであり、多くの人は確認が完了すると安心できるのに対して、何度も確認しても不安が取り除けないという点が強迫性障害の患者特有のものです。何度も何度も確認することによって疲弊してしまい、ひどい時には心配のあまり外出を控えるようになる場合もあります。さらに、自分では確認しても安心が得られないことから、周りの人々に対して確認をしてほしいと依頼する姿が見られるようになる場合があります。このように周りの人を巻き込む様子が見られた時に家族などはついそれで安心できるならと確認行為を手伝って、患者に客観的な保障を与えてしまいがちになると思いますが、手伝いを過度にし過ぎると症状の悪化を招く可能性があるという認識を持っておく必要があります。家族が自分の不安要素に対して大丈夫だという保障を常に与えてくれる環境下に患者が置かれると、症状がエスカレートしていくことがあるのです。しかし、手伝いを求めてくる患者に対してきつい言葉で断るということは避けなければいけません。断る時に使う言葉は慎重に選んで、病状を悪くしない為に手伝いを控える必要があるということを患者に伝えるようにします。うまく伝えることに自信が持てない時には、専門医に相談するなどしてアドバイスを受けるということも1つの方法です。

病院を受診する大切さ

強迫性障害の症状は患者本人の気の持ちようや心の弱さから生じるものではなく病気が原因なのであり、病気である以上は病院で治療を受けることが望ましいです。ただ、患者にとっては病院を受診すること自体、勇気が必要なことである場合も少なくありませんので治療には家族のサポートが欠かせません。病院で強迫性障害を患っているという診断を受けたら治療を開始していくことになります。強迫性障害の治療法としては薬物療法と認知行動療法があります。また、治療を開始する際に、病気について理解を深める心理教育というものを取り入れることもあります。治療を進めていく上で患者の病気と闘おうという意欲は不可欠なものです。強迫性障害の患者は、自分が行っている行為を認識していてそれが周りに知られることを恥ずかしいと思っている場合が多くあります。心理教育によって病気の正しい知識を頭に入れることは、自分の病状を客観的な視点から見る機会を患者に与え、治療に役立ちます。また、治療の1つである認知行動療法は患者の考え方とそれに基づく行動を矯正していく方法で、強迫性障害の患者が強迫観念による強迫行為を何度も繰り返してしまうという悪循環を自らの意思により断ち切る訓練をしていきます。患者それぞれの強迫観念が生じる場面や環境にあえて身を置き、不安と対峙します。最初は不安が拭えず強迫観念が頭に浮かんできますが、この治療を継続していくことで強迫性障害に負けない力をつけることができます。時間はかかりますが、きちんと専門家の指導のもとで治療を行うことで今までにない不安への耐性が身につく効果が期待できるのです。

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